有料老人ホームとの違い
契約内容や自由度が異なる
契約内容
まず、サ高住の契約は賃貸借方式になるので、入居時に敷金礼金を支払い、入居後は月々の賃料を支払っていくことになります。民間の賃貸住宅と同じようなものだと思っておけば問題ありません。一方、有料老人ホームの契約はほとんどの場合、利用権方式を採用しています。これは有料老人ホームを利用する権利を購入するという契約内容になるので、入居時にまとまった額の入居一時金が必要となります。サ高住とは違い入居時に大きな金額の支払いが発生するため、退去時の返還などでトラブルになるケースも少なくありません。償却される割合などは施設によって異なります。入居後は管理費、光熱費、介護サービス、食事などの料金を月々で支払っていくことになります。
介護サービス面でみた場合
介護サービスについては、サ高住の場合は他に事業者を探して契約する必要があります。外部の介護事業者と提携しているサ高住もあるので、その場合はその事業者に任せる形になります。一方、有料老人ホームの場合はあらかじめ施設内で用意されているので、あらためて介護サービスの契約をする必要はありません。
サ高住の場合、介護サービスを必要とした場合に自由に事業者を選べるというメリットがりますが、要介護度が高くなってしまったら施設によっては退去を求められることもあります。そのため利用する際は契約内容の確認を怠らないようにしなければなりません。
有料老人ホームの場合は入居費用が高いものの、要介護度が高くなっても継続して利用できるケースが多いです。そのため、要介護度がすでにある程度高い高齢者は、はじめから有料老人ホームを選ぶ傾向が高いようです。
生活の自由度
サ高住は基本的に自宅と同じように自由な生活を送ることができます。リビングやキッチン、入浴設備を共有しているケースもありますが、それでも自由度は高いと言えるでしょう。外出や外泊も容易なので、ストレスの少ない生活を送ることができます。一方、有料老人ホームの場合は自由度が大きく下がります。外出や外泊は許可が必要で、許可が下りない場合はあきらめなければなりません。入浴や食事に関しても決まった時間に行われるため、なるべく今まで通りの生活環境で暮らしたいと考える高齢者は、生活の自由度が高いサ高住を選ぶことが多いようです。
とはいえ介護サービスの面でいえば有料老人ホームのメリットは非常に大きいです。そのため、利用者にとってはどのような環境が日々の生活を送るうえで最も望ましいかをしっかり考えて選ぶことが大切になります。